急激な円安で外貨預金が注目されています。
理由は大手銀行の外貨預金金利が、5%を超える商品もでているからです。
日本のメガバンクでも金利が0.002%ほどで、なんと2500倍の金利です。
外貨預金が魅力的に見えるのもわかります。
しかし、検討する前にデメリットをしっかり理解する必要があります。
どんなに金利が高くても、手数料と為替の影響を受け、思わぬ損失を招くことになります。
なので、結論を先にいいますと「外貨預金はやっちゃダメ」です。
とはいえ外貨を持つという考えは、今の日本経済を知っていれば間違っていないので、リスクを理解したうえで検討するのも遅くないです。
外貨預金の特徴がわかる
外貨預金をおすすめしない理由がわかる
外貨を所有したいなら違う方法がある
このような内容で解説します。
外貨預金とは
外貨預金について、かんたんに解説します。
外国(例えば米国)の通貨を日本円で購入し、保有し続けることで外貨で利息が発生します。
その利息が高いのと、円安になっていることで為替差益が期待できるのです。
代表的な通貨といえば下記の通貨ですね。
- 米ドル
- ユーロ
- 英ポンド
世界の基軸通貨といわれる米ドルを持つことが多いです。
外貨預金の大まかな流れを図を用いて説明します。
- Aさんは1ドル(100円】のときに、100万円分ドルを購入
- 1ドル90円なってしまい、もしこの時売ってしまったら10万円の評価損(円高)
- 1ドル110円になって、このときに売ってしまえば10万円の評価益(円安)
このように外貨預金は日々、為替の影響をうけるので、売るタイミングを間違えると大きな損失を招きます。
以上が外貨預金の大まかな流れです。
しかし、ここには手数料・金利を加味しておりません。
ここから外貨預金を更に深掘りします。
外貨預金が注目される理由
2023年9月に大手メガバンクが外貨定期預金の金利を変更しました。
市場に大きなインパクトを与えるニュースです。
なにせ日本の円定期預金が0.002%なので、利息がほとんど付かない円をもつより、外貨を持った方が断然有利だと思うわけです。
金利上昇に合わせ、円安が重なり一段と外貨預金をする人が多いようです。
しかし、金利の高さが目立ちますが、デメリットもたくさんあります。
外貨預金をおすすめしない3つの理由
外貨預金を始める上で、デメリットをしっかり理解する必要があります。
- 手数料が高すぎる
- 為替リスクがある
- 預金保護制度のの対象外
順番に見ていきましょう。
手数料が高すぎる
外貨預金の大きな落とし穴ともいえるのが手数料の高さです。
円をドルに替える時には手数料がかかります。
例として大手メガバンクでは1ドル:1円の手数料です。
三井住友銀行 | 片道:1円 |
三菱UFJ銀行 | 片道:1円 |
為替レートが1ドル(140円)の場合、140円+1円=141円となります。
これは片道だけです。
日本の方はいつかドルを円に戻すので、往復で2円の手数料です。
結局1ドル当たり(2円)を必ず支払うことになりす。
利率でいうと140円に対して2円なので、1.42%の手数料ですね。
例)100万円を外貨預金するだけで、往復で約1万4千円以上抜かれてしまう。
投資信託を購入をしたことがある方はわかると思いますが、優良インデックスファンドの購入手数料は無料か0.1%以下です。
いかに外貨預金手数料が高いかわかります。
為替リスクがある
外貨預金は為替の影響を受け、タイミングににとっては大きなマイナスになりかねません。
2022年からの米ドル/円チャートですが、前半から急激に円安になっているのがわかると思います。
2022年3月に外貨預金を始めた方は円安の波に乗れたわけですが、一時150円を付けた当たりから、円高方向へ進んでいます。
具体例で説明すると
その時点での預金額は10万円。
しかし、その後為替レートが1ドル=90円に変動した場合、預金額は9万円に減少します。
つまり、為替レートの変動により元本が減少するリスクが存在します。
これが外貨預金の為替リスクと言われるものです。
預金保護制度の対象外
続いて外貨預金をおすすめしない理由は、預金保護制度の対象外だからです。
通常の預金であれば銀行が破綻した場合、1000万円+利息が保証されますが、外貨預金は戻ってきません。
過去日本でも経営破綻した銀行があります。
- 日本振興銀行:2010年
- 北海道拓殖銀行:1997年
海外では米国のシリコンバレーバンク(SVB)が破綻し、大きなニュースになりました。
過度に心配する必要はありませんが、大手銀行だから大丈夫と思うのは少し危険です。
外貨預金には隠れたリスクがあることを理解したと思います。
外貨預金をFXで利用するコツ
円の価値が下がり続けていいる現状を考えると、外貨を持つ意識は正しいと思います。
しかし、外貨預金はメリットよりもデメリットの方が大きいです。
そこで、どうしても外貨を持ちたいのであればFX口座で外貨を買うことをおすすめします。
FXは悪いイメージを持つ方もいると思いますが、外貨を購入するだけであれば安全です。
理由は4つあります。
- 手数料が安い
- スワップポイントがもらえる
- ペイオフ対象
- 流動性が高い
順番に見ていきましょう。
①手数料が安い
FXのスプレッドとは、実質的な取引コストのことです。
FX業者の手数料一覧を見ると、約0.2銭が多いです。
外貨預金で100万円分のドルを購入する場合を例にあげると、
- メガバンクの手数料は約1円なので、7143円
- FX業者の手数料は約0.2銭なので、 14円
これは片道の手数料なので、いかに外貨預金の手数料が高いかわかります。
②スワップポイントがもらえる
スワップポイントとは、2カ国間の金利差によって発生するポイントです。
つまり利益です。
FXは高い金利通貨を買い、低い金利通貨を売って翌日まで保有すると、基本的に金利によって発生する利益(スワップポイント)をほぼ毎日受け取れます。
注意点もあります。
低金利の国の通貨を買って高金利の国の通貨を売る場合は、金利差分のスワップポイントの支払いが発生するので注意が必要です。
③ペイオフ対象
FX業者が倒産しても、顧客の資産は保護されます。
なぜなら、どのFX業者も自社と顧客の資産を分別管理するよう内閣府令で定められているからです。
銀行の外貨預金はペイオフの対象外でした。
これは投資家が銀行のリスクを常に背負っていることになります。
しかしFXでは倒産リスクを背負うことがありません。
ここが大きな違いです。
④流動性が高い
外貨預金は定期で預け、金利で利益を受け取る方法です。
そのため、為替変動があったとしても満期にならないと解約できない契約です。
しかしFXではいつでも売り買いができます。
頻繁にトレードするのはおすすめできませんが、売りたいときに売れる。
外貨預金とFX、どちらが使いやすいかは明らかです。
外貨預金とFXの比較をまとめると
外貨預金 | FX | |
手数料 | 高い | 安い |
金利 | 提示価格と違い | スワップポイントがある |
預金保護制度 | 対象外 | 保護される |
流動性 | 満期まで | いつでも売買 |
FXの方が優位性が高いのがわかります。
ただ、外貨ならどれでよいわけではありません。
基本は信用度の高いドルがおすすめです。
まとめ:外貨預金はおすすめできない
昨今の円安で外貨を所有するのは有効な手段です。
しかし、ここまで外貨預金のデメリットを解説したように、知識がないとお金を抜かれることになります。
- 円だけを持っているのは不安
- 株や債権はやりたくない
- リスク分散をしたい
このように考えたひとはFXを活用しましょう。
以上、外貨預金に関する解説でした。